2009年10月4日日曜日

ロベルト・オテロ Roberto Otero


photo Elia Taniguchi
ブエノス・アイレスに住む
アンジェリーナ・オテロから私の誕生日を祝うメールが来た。
彼女は写真家でプロデューサーだった
ロベルト・オテロのお姉さんだが
よく私の誕生日を覚えていたものだと思う。
マジョルカ島に住み
なにかにつけて親しくしていたロベルトが亡くなってから
もう4年が過ぎた。
ピカソと親しかった彼が録りためた写真とコメントは
親しいだけではなく
アートや社会に対する知識や姿勢
そしてなにより言葉のやりとりを介しての
エナジーのやり取りをピカソとできる者だけがキャッチできる
豊かなエスプリに満ちていて
マラガのピカソ美術館を始め世界中で展覧会が開かれている。
ゲバラの幼なじみでもあり
スペインを代表する詩人ラファエル・アルベルティや
画家のタピエスなど多くの偉大なアーティストを友人に持ち
舞踊家のアントニオ・ガデスの
ヨットのお師匠さんでもあった海を愛する芸術家。
今でもふとロベルトが
いきなり電話をかけてくるような気がする。

一人の、人と共にある世界
友であることがもたらす安心と敬意。
死とともに失われてしまう手応え
共有し得る何かと
新たに触れ合うことができない哀しさ。